アライブ


『お前には関係ない…はぁ、はぁ…』


無精髭を生やした男は素っ気なく答えた。


『大切な家族がいるんだから…大切な家族が帰りを待ってるんだから…絶対に生きて帰らなくちゃ!!』


修二がそう言うと、無精髭を生やした男は鼻で笑った。


『どうして笑うんですか?』


無精髭を生やした男が鼻で笑ったことが、修二は気になった。


『俺の帰りなんて待っていないさ。俺達はもうすぐ離婚するんだから…はぁ、はぁ』


無精髭を生やした男は悲しげな表情を見せながら告げた。


『離婚?どうしてですか?』


修二は踏み込んで尋ねた。



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