アライブ
『ああ、ご子息の方ですか。相沢涼子さんがずっと会いたがっておりましたよ、ご案内します』
受付のナースは席を立ち、青年を相沢涼子の病室へと案内した。
『相沢涼子さん、ご面会の方が来ておられます』
受付のナースがそう告げながら、ゆっくりと病室の扉を開いた。
病室の中には、目を閉じて車イスに座る歳老いた女性がいた。
そしてその病室内はあちこちモノで散らかっていた。
『あらあら、相沢さん。また勝手に病院を退院しようとして荷物をまとめていたのね』
ナースはそう言って、散らかっているモノたちを片付けた。
『わたしは家を留守にする訳にはいかないんだ』
車イスに座る歳老いた女性=相沢涼子が告げた。