アライブ


1時間ほどが過ぎた頃…


青年は泣きつかれてベッドで眠りにつく相沢涼子の、ずっと握りしめていた手を離し、静かに病室を出ていった。


『もうお帰りになられるんですか?』


出口で受付のナースが青年に声をかけた。


『はい』


青年は笑顔で答えた。


『そうですか、またお見舞いに来てあげて下さいね』


受付のナースがそう言うと、青年は笑顔で力強く頷いた。


『あ、そうだ。一つ…一つお願いがあるんですが?』

青年がそう言うと、受付のナースは不思議そうな表情を見せた。


『これ…』


青年はズボンのポケットから貯金通帳を取り出した。



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