アライブ
『あの子、蓮(レン)くんって言うんだけど…最近入院してきた子なんだ』
青年の近くに歩み寄ってきた小さな女の子が、青年に教えた。
『そうなんだ…ありがとう』
青年は小さな女の子に笑顔で告げ、去って行った蓮を追いかけた。
『確かこっちに行ったハズなんだけどな…』
青年は病院内を歩き回った。
『すみません、蓮くんって子はどこの病室にいるかわかりますか?』
青年は近くを歩いていたナースに尋ねた。
『蓮くん?ああ、蓮くんはこの先のガン患者の病棟にいるはずよ。あんな小さいのに生まれつき頭に腫瘍があるなんてね』
ナースは同情しながら去って行った。