アライブ
『生まれつき…脳に腫瘍か…公太と…公太と一緒か…』
青年はこぶしをギュッと握りしめ、歩きだした。
青年は辺りをキョロキョロしながら、ガン患者の病棟へとやってきた。
『何しに来たんだよ?』
青年の背後からふと声が聞こえた。
青年は背後を振り返った。
そこには先程の小さな男の子=蓮が立っていた。
『蓮くん』
青年は笑顔で蓮の顔を覗き込んだ。
『ガン患者を嘲笑いに来たのか?』
蓮はふて腐れたように告げた。
『そんなことないよ。君と話がしたくてさ…』
青年はそう言って、蓮の頭を撫でた。