アライブ
『はい!!ただちに!!』
ドアノブを回していた警察官はドアから離れ、非常階段をカンカンと言う音を立てながら下って行った。
その頃…
『くそっ…あっちこっち逃げ回りやがって…』
道路を走るパトカーの後ろの席で、無精髭を生やした警察官がイラつきながら告げた。
それとは対照的に、その隣の席で橘玲子は何かを考え込むように黙り込んだまま、窓の外を見ていた。
そんなとき、無精髭を生やした警察官の携帯電話が鳴った。
『もしもし、俺だ。何の用だ?…ああ…ああ…何?本当か?…わかった』
無精髭を生やした警察官は携帯電話に出て、用件だけを聞いてすぐに携帯電話を切った。
『どういう事なんだ…』
無精髭を生やした警察官は疑問を浮かべながら携帯電話をポケットにしまい込んだ。