アライブ


『ああ。交番の前にそっと置かれていたらしい。しかも、2000万円は手付かずのままで…“いつか帰るところ”と書かれた白い紙が一枚一緒に入っていたらしい。一体、強盗犯は何がしたいんだ?“いつか帰るところ”って…どこに帰ると言うのだ?我々、警察官をバカにしてるのか?目的がサッパリわからん』


無精髭を生やした警察官は眉間にシワを寄せて考え込んでいた。


『いつか…帰るところか…』


橘玲子はそう呟き、また窓の外を静かに見つめた。


『着きました。あの雑居ビルに強盗犯が人質を手に立て篭もってるみたいです』


パトカーを運転する警察官が、現場につくなり無精髭を生やした警察官に告げた。



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