執事_HOLIC!
課題を早々と済ませ、「予定が空いたから」と麗に告げて、少しだけ屋敷の外へ独りで散歩することにした。
一緒に居ると、麗の事を気にしてしまうから。
14歳の頃から学校を休みがちなあたしにとって、屋敷の外へ出ることは珍しい。
幼い頃は、お嬢様という事を隠して通っていた学校も、どこからか噂が広がってしまった。
それまで居た友達も、線を引いたようにあたしと距離を取り始めた。
それが嫌で、あたしは逃げ出した。
それからは毎日午前と午後に優秀な家庭教師をつけられ、あたしは当然のように屋敷にこもりがちになった。