幼なじみ
なにから話せばいいのだろう。
今のあたしは、それくらい混乱をしている。

― 今日、幼なじみのハヤトが死んだ ―

街中のネットカフェの個室で。
どうやらそこで独り、生活をしていたらしい。

先週も写メをもらったばかりだったのに。
携帯の小さな画面の中で。
行きつけのネットカフェの店長さんだという人と。
笑顔とピースで、仲良さげに納まっていた。

小六まで、あたしの家の隣に住んでいた、ハヤト。
一緒に学校へ行ったり。
近くの公園へ遊びに行ったり。
たまにどちらかの両親が用事でいないときには、お互いの家へ夕食を食べに行ったり、来てもらったり。
そんな今どき珍しい、近所付き合いというか。
家族ぐるみの付き合いをしていたような気がする。

少なくとも、ハヤトが小五になるまでは、そんな日々が当たり前のように続いていた。
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