幼なじみ
「小学生くらいまでは、とても仲が良かったんです。ハヤトの家に色々とあって、それから少し疎遠になったっていうか。でもこれ、このメールがハヤトが死ぬ何日か前に届いて。」
あたしはそう言って、自分の携帯を開いて、写メ付きのそのメール文を見せた。

「あれ、これ管理人さんだよ。」
リーマンさんが、ハヤトと一緒に映っている店長さんを指差して声を上げた。
「えっ？本当ですか？」
リーマンさんはうなずいて。
「うん、間違いないよ。最初のうちは本当にただ単に受け渡して終わり、みたいな感じだったんだけど。常連になって何度も会ううちに、色々と話すようになったりもしたから。なんて言うんだろう、仲間意識みたいな感じかな。確か自営業をしてるって言ってたような？よくおまけに、ハヤトくんの生写真もつけてくれたりしたなぁ。」

そう言ってから、リーマンさんはしまったというような顔であたしを見た。
あたしはなぜだか不思議と微笑んでしまった。
「ごめん、変態の世界だよね。」
あたしは首を振った。

善悪じゃなくて。
リーマンさんがハヤトのことを少しでも、大切に想ってくれていたことが、あたしにはなんだかとても嬉しかった。

例えそれが身勝手な欲望だとしても。

「リーマンさん、ありがとう。」
なぜだかお礼を言っていた。
「へっ？」
リーマンさんは、不思議そうな顔であたしを見た。
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表紙・目次

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