PURE~君想う空~
あたしの体の総てが停止した。


「亜紀ちゃん…どう思う?」


3歩前を歩いていた先生が振り返った。

真っ暗がりの中、月明かりに照らされた先生の顔が、ボンヤリとしか見えない。

「行っ……ちゃう…の!?」


「まだ分からないよ。」


「ずっと……傍にいてくれるって……言ったじゃない…。」

「亜紀ちゃん?」


「…………かない…でよ……。」




サクッ…サクッ…




あたしの前で止まった先生が、ゆっくりあたしを抱きしめた。


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