王子に姫の恋情を…



ねぇ、

何を言おうとしてるの…?




続きを
聞かせてよ…



私は無意識のうちに顔を上げていた



彼方は横を向いて何か悩んでるようだったけど

私が顔を上げたのに気付いて笑った


そして目尻の涙を指でふき取った




「私、彼方が好き」



何だか今になって
改めて思った


ちょっと意地悪だけど
私、そんなに嫌なわけじゃないし

彼方だから許せるって言うか…

何で彼方だけって言われるとどう答えていいか分かんないんだけど



ボーっと考えていたから

彼方が固まっているのに気付かなかった




「…?、どうしたの彼方?」



『なんか今無性に抱きしめたいんだけど、いい?』



その言葉に

カァァと赤く染まる頬


「な、なな何で急に!?」


『彼女に「好き」って言われて普通にできる男っていないと思うよ』



はて?


いつ「好き」って言ったっけ?





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