王子に姫の恋情を…
★
それは
幼い頃の
小さな記憶
人よりか、私の見上げる空は低かった
しゃがんでうずくまって、泣いてばかりだった空には
いつしか『男の子』という影ができていた
だけど
光が差し込むことができたのも
その『男の子』のおかげだった…
『…由香里?何考えてんだよ』
「……彼方背が高いなぁーって」
私の顔を覗き込む彼は
『何だよそれ』と言って笑っていた
君が笑うたびに
私の空は高く、広くなる
今
私が見上げる先にあるのは
大きな空と
大きな貴方
それが一番
幸せなのかもしれません
END