王子に姫の恋情を…
バスの中は案外空いていた
彼方はもう座って窓の外の景色を眺めていた
は、はやっ…
ていうかどうしよう
私窓際じゃないと酔うんだけどな…
「彼方…私窓際の方がいいな」
あの彼方の事だからだめだろうなと思いながらも
酔って彼方に迷惑かけるのも嫌だから一応聞いてみた
彼方はすくっと立ち上がって
通路側へと出てきた
『ほらっ、さっさと座れ』
そう言いながら
私の肩を軽く叩いた
「え…う、うん」
まさか
まさかよけてくれるなんて…
今日の彼方は本当に優しい
…何か変なものでも食べたのかな?
(ちょっと失礼!)