王子に姫の恋情を…
怖かった
怖かった
だから
逃げた
嫌だった
『由香里はもう4歳だからおにいちゃんとお留守番できるよね?』
『ゆぅはもう大きいから一人でお留守番できるよな?』
私は
「うん…いってらっしゃい」
と言うしかなかった
誰もいない暗い部屋に一人
だからせめて
明るい世界に飛び出したかったのかもしれない
今日こそは何を言われても泣かない
…だけどやっぱり
耐えられなかった
私は公園を飛び出していった
その時
すれ違ったのが
君だった