王子に姫の恋情を…
『ねえちょっと待ってってば!』
突然
知らない男の子が追いかけてくる
私よりも小さい
可愛い男の子
君までも
私をいじめるの?
「いや~来ないでよ~」
私は全速力で走って
…こけた
「~っ…ひっく…」
そんな自分が情けなくて悔しくて傷は痛いわ服はボロボロだわで
涙が出てくる
『ねえ、泣かないでよ…』
すぐにその子が追いついて私を覗き込んでくる
『もう痛くないよ』
そう言いながら
私の頭を撫でてくれる
そうすると何だか不思議と
転んだ時の痛みが消えていくような気がした
「うん、もう痛くないよ!…君だあれ?」
私はもう笑っていた
『僕、せんどうかなた、君はなんて名前?』
かなた君…
「私、さいとうゆかり4さい…へへっ、ありがとね!」