王子に姫の恋情を…
気づいたら
足が地面から離れていて
鈍い痛みがほぼ全身に響いて
視界いっぱいに映るのは可愛い同じ顔
ああ
押し倒されたんだ
と気づくまですべてがスローモーションのようだった
ゴンッ
「痛ったぁ~!!」
重くのしかかる2人分の体重
ぐるぐると何回も回った後のような視界の揺れ
『あなたが由香里さん!?』
『あなたが彼方の彼女!?』
耳元で同時に叫ばれて
私の記憶はそこで途切れて
深い闇へと堕ちていった…