王子に姫の恋情を…
私の体はまだ頭がくらくらするのにベッドから起き上がって
私の意志が追いつかないまま立ち上がっていた
まるで
私の意識がどこかに飛ばされて
無意識に体が動いてるみたい
カーテンに手をかける
なかなか手に力が入らなかったけど
この孤立した空間にはいたくなかった
『私…由香里さんより彼方にぃのこと愛してる…』
え…?
私の手は
カーテンを握ったところで止まった
『私達…こんなにも彼方にぃの方がすきなのに…』
え…
てか、呼び方も
『彼方兄ちゃん』から
『彼方にぃ』になってるし…
何このカーテンの向こうの甘い雰囲気
『『ねえ!由香里さんより私達の事を選んでよ!』』
…やめて
やめて
彼方…行かないでよ
私のそばから離れないでよ
私だけの…彼方でいてよ!