王子に姫の恋情を…





ぶちっ






その時


私の中で何かが切れた







「てめぇ等は何ぬかしとんじゃぼけー!」




『『『は…』』』





全員目が点になっているが
そんな事お構いなしにずんずんと彼方の目の前まで歩いていく





そして

真っ先に彼方の首に絡みついていた彩ちゃんの腕を取り払った





「ごめん、だけど彼方だけは絶対に譲れない」





初めてそう思えた


誰にも譲れない

取られたくない




そんな事
今までの私ではありえなかった



男なんてみんな怖い


近づくのさえ嫌だったのに


触られるなんて問題外





そんな私が唯一大丈夫な人







渡せない…



渡さない!







そう思ったら
体が自然に動いていた









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