王子に姫の恋情を…




彼方の顔はちょっと赤くて


唇を突き出したむすーっとした顔をしていて




それが何だかいつもの意地悪彼方からは想像できなくて



可愛く思えるのと同時に…





「ぷぷっ…」


『てめぇ!笑うなよ!』




…笑えてくる






ゆっくりと彼方のそばに近づいていく




こつん




彼方の額に自分の額を重ねる





「大丈夫、ちゃんと好き」




思いを言葉にするのは恥ずかしい



けれど時には


どうしても伝えたい言葉がある






彼方はそれを聞くと

私をぎゅっと引き寄せた









…この幸せが

いつまでも続いてくれればいいなと感じた日だった









< 48 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop