王子に姫の恋情を…
彼方の顔はちょっと赤くて
唇を突き出したむすーっとした顔をしていて
それが何だかいつもの意地悪彼方からは想像できなくて
可愛く思えるのと同時に…
「ぷぷっ…」
『てめぇ!笑うなよ!』
…笑えてくる
ゆっくりと彼方のそばに近づいていく
こつん
彼方の額に自分の額を重ねる
「大丈夫、ちゃんと好き」
思いを言葉にするのは恥ずかしい
けれど時には
どうしても伝えたい言葉がある
彼方はそれを聞くと
私をぎゅっと引き寄せた
…この幸せが
いつまでも続いてくれればいいなと感じた日だった