王子に姫の恋情を…
『…そういえば、お前も由香里が好きじゃなかったっけ?
晴臣、俺と手を組まない?』
俺は眉をひそめた
「お前…今度は何をする気だよ」
『その言い方は気に食わないな
俺が前に何かしたような感じじゃん』
十分したじゃねえか!
…とも言えず
俺は握っていた鞄の取っ手をぎゅっと握り締めた
『…まあいいや
俺と手を組まなかったこと後悔するぜ、は・る・お・み・君♪』
「ウゼぇ、さっさと消えろ」
西田はわざとらしく肩をすくめると
帰り始めた
…1年前の悲劇が
また起こらないことを祈りたい
これは
由香里に言っておいたほうがいいよな…
俺はサボりたかったことも忘れて
もうすぐ1時間目が始まる校舎へと駆けていった