王子に姫の恋情を…
__________...
『由香里っ!…』
自分の名前が呼ばれてふっと後ろを振り向くと
「あ、晴臣久しぶり~
いつイギリスから帰ってきた…」
「帰ってきたの?」と言いたかったけれど
晴臣にガシッと肩を掴まれてぐらぐら揺さぶられたから続きを言うことができなかった
『何のんきな事言ってんだよ!あいつがこの学校くるんだよ!』
『晴臣、由香里が死ぬ』
『晴臣!由香里から手ぇ離せ!』
奈津実と彼方が止めに入ってくれて晴臣はいくらか落ち着いたようだった
「…晴臣、ちょっともう少し静かに『西田輝樹が来るんだよ!』
その言葉に
私と奈津実は固まった
いや、実際には
私は自分でも気づかない間に肩を震わせていた
彼方はこの状況についていけないけれど
何かヤバいことだと悟った様で口を挟まなかった