王子に姫の恋情を…
「に、西田って…何で…」
グィッ
「えっ…キャッ!」
『詳しく話聞かせてもらうから
あ、先生には適当に理由つけといて』
『あ…ちょっと!待ちなさいよ!』
幸か不幸か
私は彼方に連れられてチャイムが鳴り響く校舎内を
どこかへ向かって引きずられていった
西田…輝樹…
一生思い出したくない名前だった
出来ればもう
…聞きたくない名前だった
私は無意識に
彼方の手を強く握り締めていた…