王子に姫の恋情を…



『…分かったよ』



彼方はそれだけ言うと

静かに教室から出て行った





私はその場に膝の力が抜けてガクンと座り込み

両手で体を抱えて震えていた




明日から

私、どうしよう…



こんな時こそ
彼方に傍にいて欲しい


私が不安に押しつぶされそうな今こそ

彼方に優しく抱きしめて欲しい



でも

その願いは私が潰した



私自身が

彼方を遠ざけた




私はこの苦しみを
背負うしかない



そう
私に残された道は

それしかないんだから…






そうと分かっていながらも

私の震えは止まる事がなかった…









< 81 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop