王子に姫の恋情を…
『…分かったよ』
彼方はそれだけ言うと
静かに教室から出て行った
私はその場に膝の力が抜けてガクンと座り込み
両手で体を抱えて震えていた
明日から
私、どうしよう…
こんな時こそ
彼方に傍にいて欲しい
私が不安に押しつぶされそうな今こそ
彼方に優しく抱きしめて欲しい
でも
その願いは私が潰した
私自身が
彼方を遠ざけた
私はこの苦しみを
背負うしかない
そう
私に残された道は
それしかないんだから…
そうと分かっていながらも
私の震えは止まる事がなかった…