王子に姫の恋情を…




__________...



『…えー、今日からこのクラスに転向してきた西田輝樹君です
同じ中学の人がこのクラスに多いみたいなので仲良くしてくださいね』



『よろしくお願いします』



そう言ってにこっと笑う様は

まるでどこかの国の貴公子のよう


けっ!
仲良くしてくださいねって
あんたは小学校の先生かっ!



そんな自己紹介だが


…このクラスの女子を発狂させるには十分の威力があった



超カッコいいー
とか
やったーラッキー
とかの声があちらこちらから聞こえてくる



無反応なのは男子と私たちぐらいのものだ




私の席は窓際の最後尾
あの男から目を背けていても何も言われないっていいね!





ただ…問題は…



『じゃあ西田君は一番後ろの真ん中の席ね』




西田輝樹と私の席が

思っていたより近いと言うことだ




こればっかりはどうしようもない

てか担任を恨むしかない




席替え早くしないかなー
と切実に考えながら


私は何を見るでもなく窓の外を眺めていた




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