王子に姫の恋情を…




__________...




「あ、ここ資料室」

私が立ち止まったのは
校舎の端っこに位置する小さな教室


最初の目的は資料室じゃなかったみたいだけど
いつの間にか使うことなんて無いからそうなっちゃったみたいな教室



ゴロゴロと映写機を資料室の中に押し込んで
スクリーンもその横に置く



よし!お仕事終わり




「ありがとね!手伝ってもらって」

私はこの西田君が嫌な記憶の原因だということをほんの数分で忘れていて

満面の笑顔を向けていた



西田君はちょっと驚いた顔をしていたけど
…すぐにいつもの貴公子スマイルに戻った



『ううん、このくらい手伝いのうちに入らないから
…それより』


突然
さっきまでの笑顔が消えて
シュンとうなだれる西田君



え…私なんか
ヤバイことやっちゃった!?



私がオロオロしながら様子を伺っていると



『…俺、ここに来てから友達がまだ出来ていないんだよね
斉藤さんが最初の友達になってくれない?』



え…




私と西田君が




友達?




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