王子に姫の恋情を…




そのとき脳裏に

あの時の映像がフラッシュバックしてきた




ガタタッ




「いやっ…やめてぇっ!」




思わず西田君から距離をとった



その時に机に当たって
段ボールの箱がいくつか落っこちてしまった




机に当たった腰が痛かったけど
自分の目の前にある強大な何かの方が
私にとって辛かった




やめて…


近寄らないで…



怖い…



気持ち悪い…






『由香里!』


はっ!



ぱちぱちとまぶたを動かす




私…今…




『大丈夫…俺、あの時やってしまったこと
由香…斉藤さんに謝りたかったんだ』




え…?




その言葉に反応して

思わず顔を上げる




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