王子に姫の恋情を…
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ピョコッ
ピョコッ
と、どかないぃぃ~!!
私は只今黒板と格闘中
何気にA型の私は
隅の方にちょこっと残っているチョークの線でさえ何だか許せない
黒板消しをなるべく長くなるようにもって
ジャンプじゃ狙った位置に手が届かないと分かり
出来る限りの爪先立ちで精一杯腕を伸ばす
ん~
あと少し…
『ゆーかりちゃん!』
「うわぁっ!!」
グニッ
後ろからかけられた声に驚いて
体が変な方向へ倒れかける
まあ、そこまで反射神経が鈍い方ではないから普通に立てたけどさ
『…あれ消せばいいの?』
ヒョィッと私の手から奪われる黒板消し
誰に奪われたかというと…
いつの間にか呼び方を
『斉藤さん』
から
『斉藤ちゃん』
から
『由香里ちゃん』
に変えてしまった
西田君