王子に姫の恋情を…
『…西田と何があったんだよ』
ギクッ
それか!
そうきたか!
「そ、れは…その~」
言わなくちゃいけないの?
内心汗だらだらで
どんな答え方をすれば彼方が満足して事実がばれないか
うまい方法を一生懸命考えていた
「昔、西田君に嫌な事されて…」
『だからその嫌なことの内容を聞いてんだって』
ヤバイ
彼方勘が良いし言葉的にも大体の筋はバレてる…
答えに詰まって
私は彼方から目を反らしてしまう
それと同時に
彼方の手が私の両肩を痛いぐらいにがっしりと掴む
窓から差し込む夕日
近づいてくる顔
動かせない両腕…
そして…
「イヤァァァッ!…助けてぇぇっ!」
私が上げた金切り声に驚いて彼方はパッと私の両肩から手を離す
私は自由になった両手で顔を覆う
体を出来るだけ小さくして
顔を膝と体の間に埋める