王子に姫の恋情を…
一種のパニック症状
あの日から似たような状況に男子といると
決まって同じ行動をとってしまう
最初の頃はこれより酷かった
男子が傍を通るなんて簡単なことだけでも私にとっては大問題だった
それでも最近は治まってきて
男の子と付き合えるまでに回復した
だってあの頃は想像すら出来なかったんだよ
私が誰かと付き合うことなんて
だから私にとって
彼方は大切で、特別で…
言葉では言い表せないくらい
なのに…
その手を受け付けないなんて…
「…ごめんなさい」
私は今度は違う意味で体が震えてきた
どうしよう
彼方の手を拒んでしまった私なんかが
彼方の隣にいる資格なんて無い
彼方もきっと
私にうんざりして離れていってしまう
だって
絶対、嫌われたと思われてる
違うのに
「あの、かな『ごめん、謝るのは俺のほうだから』
ビクッ
私は一瞬息を止めた
《フラれる》
その言葉が
私の頭の中に渦巻いていた