一匹狼少年~ペットな彼~
「じゃあ、送るよ」
そう、笑顔で言う杉田さん。
「えっ…」
杉田さんがアタシを送ってくれる…?
「え、大丈夫ですよ。一人で帰れる道のりだし…」
そう言いながら、慌てて両手を左右に振った。
「いいの、いいの。今日は俺のせいで、帰るの遅くなったんだから。遠慮しないで、俺に送らせて?」
そう言って、軽く片目を瞑って見せた。
「えっと、じゃあ…お言葉に甘えて」
それから、アタシと杉田さんはお店から出て、アタシのいつもの帰り道を歩いていた。
「なーんか、久しぶりだなぁ。こうやって、歩くの」
隣に歩いていた杉田さんが懐かしそうに呟く。