一匹狼少年~ペットな彼~





その歩いている間、杉田さんはアタシの歩調を合わせてくれていて、少しの気遣いがとても嬉しかった。






「そうなんですか‥?」




「うん。俺はいつも、電車で店に通ってるから…。歩くのは、久しぶりなんだ」




そっか…。杉田さん、いつも電車でー‥ってそれじゃあ、帰りも……





「じゃあ、帰りも電車だったら、アタシのこと送ると、帰り遅くなるじゃないですか。」




「ん?いいんだって、そんなこと!それは、俺が璃子ちゃんのこと送りたいって思ったから、今にあたる訳なんだから…」





アタシに促すように優しく微笑んで言う杉田さん。




本当に優しい人なんだなぁ。




そう思っていると、前の電柱柱のところに、ヨレヨレのダンボールがあった。




何だろう?



近づいて見てみると中には、可愛らしい子犬が一匹、入っていた。










< 34 / 53 >

この作品をシェア

pagetop