一匹狼少年~ペットな彼~
その歩いている間、杉田さんはアタシの歩調を合わせてくれていて、少しの気遣いがとても嬉しかった。
「そうなんですか‥?」
「うん。俺はいつも、電車で店に通ってるから…。歩くのは、久しぶりなんだ」
そっか…。杉田さん、いつも電車でー‥ってそれじゃあ、帰りも……
「じゃあ、帰りも電車だったら、アタシのこと送ると、帰り遅くなるじゃないですか。」
「ん?いいんだって、そんなこと!それは、俺が璃子ちゃんのこと送りたいって思ったから、今にあたる訳なんだから…」
アタシに促すように優しく微笑んで言う杉田さん。
本当に優しい人なんだなぁ。
そう思っていると、前の電柱柱のところに、ヨレヨレのダンボールがあった。
何だろう?
近づいて見てみると中には、可愛らしい子犬が一匹、入っていた。