一匹狼少年~ペットな彼~
「見て下さい、杉田さん!」
アタシは杉田さんに声をかけて、子犬を見るように言った。
「かわいいですよね?」
アタシは子犬をダンボール箱から取り出して、抱き上げた。
「ほんとだ‥。カワイイね。誰か、捨てたのかな?」
「そうなのかもしれませんね。でも、かわいそう‥。この子、ケガしてるしー‥」
アタシは子犬を優しく撫でながら、子犬の足を杉田さんに見せた。
「あれ?ほんとだ。少し、ケガしてるね。」
「この子、うちで手当てしようかな?」
そう言って、また子犬の頭を撫でようとした時、子犬がガブッとアタシの指を噛んだ。
「イタッ‥!」
尽かさず杉田さんはアタシのもとへやって来て、声をかけてくれた。
「大丈夫?璃子ちゃん」