一匹狼少年~ペットな彼~
「は、はい…ってあ!」
そう答えた途端、子犬はアタシの腕からすり抜けて子犬はアタシ達のほうへ向いて唸り始めた。
ど‥どうしたんだろう?
そんな恐がること、何にもしてないのにー‥。
疑問に思いながらも子犬をもう一度抱きかかえようとすると……
「璃子ちゃん!危ない!!」
杉田さんが後ろから大声で叫んでいた。
え?何ー…
「きゃっ?!」
気づいた時にはアタシの体が空中に浮かんでいた。
後ろをゆっくりと見ると、アタシは空中に浮かんでいるのではなく、さっき抱こうとしていた子犬に襟元を掴まれているみたいだった。
いや…子犬ではなく、猛犬と言った方がいいかもー‥。
「ぎ‥ぎゃあー!何、何んなのー‥?!」
アタシは訳が分からなくなって、今まで出したことのない声を張り上げた。