一匹狼少年~ペットな彼~
さっきまであんな可愛い子犬だったのに、何でアタシより巨大な犬になってんのよ!
しかも、短時間でそんな変わるもんなの??
「璃子ちゃん!待ってて、今助けるから!」
杉田さんが下からアタシに向かって叫んでる。
あ‥アタシを助けてくれる!
え…
で、でも今こんなデカい犬をどうやって杉田さん一人で倒すの?
こんな得体の知れない猛犬をー‥
とその時、遠くから狼の遠吠えが聞こえてきた。
な、今度は何?!
その遠吠えとともに姿を現したのは、アタシよりは少し小さい黒い毛並み、瞳は淡いブルーの色をしている一匹の狼だった。
「え…狼??」
なんでこんなところにー…。
その狼はアタシを見ると勢いよくジャンプし、アタシの後ろにいる猛犬にかぶりついた。
「ギャアア゛ン!」
と猛犬は声を上げ、アタシの襟元掴んでいたのが離れた。