一匹狼少年~ペットな彼~
「え…じゃあ、今人間の姿なのはなんで…?」
アタシの声は今にも消えそうな声だった。
喉の奥に詰まって上手く喋れなかったから。
「俺は…人間と狼との混合動物なんだ‥。満月が現れてから7日間、狼に変身することが出来るー‥」
そう言って、常盤はアタシの元にやって来て優しく抱きしめた。
「あ‥」
人間と同じ心臓のドクンドクンと音をたてていた。
常盤の暖かさがアタシの体に伝わってくる。
常盤は優しく抱きしめながら、耳元で呟く。
「怖いおもいさせて、ごめん…。でも、俺は璃子のことー‥」
最後の言葉を言わずに常盤はアタシから離れていった。