汚れた街の汚れなき天使
その姿に今度は愛美ちゃんが叫びだす。
「やめてよっ!!」
静止されて立ち止まったまりあの瞳には……大量の涙が浮かんでいた。
「海人?寝てるの??」
まだ顔に残る痛々しいやけどの跡。ところどころ赤茶色に変色してしまっている。
「あんたのせいだからね?いつまで……奪えば気が済むの??」
まりあは答えない。
ただ黙って海人の髪を撫でる。
まるで。本物のマリア様みてーにさ。
優しい瞳でただ海人だけを見つめていた。