汚れた街の汚れなき天使
言葉を選ぶように、まだ彼女の中でもまとまっていないのだろう。途切れながらも一部始終を聞いていく。
…………。
マジで……意味分かんないんですけど??
「って事はまりあが達也って奴を連れてったってのか?」
「そうみたいです。」
「悪かったな。早くに寝たと思って眞子とその話してたんだわ。たぶん……それを聞いて」
「いいんです。っていうか……アタシ謝らなきゃって思って。あの子は本当は悪くないのに……しかも達也と話して誤解が解けて復縁したんです。」
あのまりあが……復縁のキューピッド……!?
どうやら俺が知らないうちにまりあは逞しくなってるらしい。
「よし分かった。俺から話しておく。もういいよな?いつ見舞いに行っても」
「はい。アタシも明日からまた朝も行きます。」
電話を切って空を見上げると海人の好きだった雲一つない青空で。
「朝から天気がいいと頑張れますよね?」
よく楽しそうにそう言ってたっけ。俺は天気なんて気にしねーから海人らしいって思ったもんだ。
聞いたか?海人??
まりあは頑張ってるぞ?
お前も頑張って……早く帰って来ないとな。