汚れた街の汚れなき天使
【第7章】初めての同棲
「わぁ!!綺麗♪」
さほど広くないワンルームマンション。
備え付けの家具一つ一つに一喜一憂するまりあ。
「思ったよりもちゃんとしてるな?」
よっと荷物を持ち上げようとする俺を慌ててまりあが止める。
「ダメ!!あんまり無理しちゃ!!」
そう言って俺から荷物を奪おうとするその小さな肩にも火傷の跡。
「この位大丈夫!」
体力減ってるよなぁ……。肉体労働じゃなかった事が救われる。
会社復帰は2週間後。その頃には顔の包帯も取れる筈だ。
その間に……まりあに真実を伝えなきゃな。
「なぁ……まりあ。明日一緒に出かけようか?」
「ん……いいよ♪」
嬉しそうに俺の腕に巻きついてるまりあ。
「海人、お帰り。大好きだよ」
「あぁ、愛してる。」
やっと手に入れた二人だけの時間。
すぐ触れられる場所にあるまりあに胸が痛くなる。
触れたい。
もっと。