汚れた街の汚れなき天使
その夜。
「こわいの。海人……オトウサン……」
どうした??
眞子さんに貰ったらしい俺には少し刺激の強すぎるデザインをしたシルクのパジャマの袖を握りしめまりあが呟く。
目が合ったまりあは俺の胸の中へ寄り添いそのまままた浅い眠りにつく。
これか……。
眞子さんから聞いていた。
「夜になるとうなされてるみたいなの」
本当にいいんだろうか?
現実を見せてしまって。
知らないままの方が
幸せなこともあるんじゃないだろうか??
それでも。
先延ばしした所で同じ事。
何度も頭を撫でたけれど、結局この日俺が把握しているだけでも10回は繰り返した気がする。
大して眠れないまま、気がついたら朝になっていた。