汚れた街の汚れなき天使



「こっちはアルバムじゃなくて日記らしいんだけど読んでみたか??」



「見てない」



「何で??」



見たくないなら無理強いする気もないんだけれど……。



「海人は見た??」



「いや、一応親父さんのプライバシーだし」



「じゃあ見て?まりあには読めない字ばっかりだったよ」



字……ねぇ??



「じゃあ開くよ??」



うんうん、と首を伸ばして一緒に表紙を開いてみる。



……。


…………。


…………なるほど。



読めない、というよりは非常に読みづらい。


一言で言えば殴り書き??




俺でも難しいかもしれないし。



でも、ひょっとして何かまた新しい事が分かるんじゃないかって気になって、解読することに決めた。



「読めたら教えてね~」



頭を使いすぎて疲れたのか眠そうなまりあ。



その重みを肌で感じながら……やっと、俺達の間に流れる時間がゆっくりになった様に感じたんだ。







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