汚れた街の汚れなき天使



「とにかくさ、会いに行こう!俺も行くから」



その言葉にまりあがOKを出したのは5日が経った頃で、割れたお皿とコップは20枚を越えていたけど一人で初めてのカレーが作れるようになった頃だった。



「まりあ……いらないから置いていかれたんじゃないの??」



そう怯える度に、日記に書いてあったことを話す。



20歳になったらお母さんに会う予定だったんだと。


だから、早まって喜ぶ筈だと。





なんて、本当は俺も怖かったよ?





もしも最悪、本当の親って人がまりあを否定するような事があれば俺が闘ってやるって決めてたんだ。





今でも忘れない。



あの日、初対面の俺ににっこり笑って手を繋いで……あどけなかったまりあ。

確実に俺を、幸へ対する後悔でいっぱいだった闇から救い出してくれた。





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