汚れた街の汚れなき天使
「皆川、皆川……」
タクシーに乗り住所を告げて辿り着いたのはそこそこ落ち着いた住宅街。
丹念に表札を見ながら歩く。
って言っても……未だにその苗字を名乗ってる保障はないんだけれど。
「うぅっ。」
緊張のあまり生あくびを繰り返すまりあと並んでもう30件以上チェックしている。
裏かな??
角を曲がった時だった。
「すみません!!」
その声に振り向くと……逆光に照らされ、一人の女性が立っていた。