汚れた街の汚れなき天使
「おい、どの娘にするんや?」
って酔った先輩の口調は関西弁やらなにやら入り混じり怖いんですが……あ、ちなみにここは新宿と言う街でバリバリの関東です。
「そんな事急に言われたって困りますよ。こういうお店来た事ないんですし」
そっか、分かったと更に声を荒げて黒服に叫んだ。
「おい!兄ちゃん!!こいつに若くて可愛い子付けたってや!!」
「ちょ、ちょっと待って下さいよ~!!!」
こんな所でそんな大声恥ずかしいんですけど!!!
『では先にそちらのお兄さんからご案内させて頂きます』
えっ??
マジで???
「楽しんで来いよ~」
ってアナタ!どっちかっていうと困ってるの分かるでしょ!?
焦っている俺の前に細くて小さな白い手。
ぎゅっ!!
『いらっしゃいませ!マリアです。宜しくお願いします♪』
そこにいたのはこの娘が本当にこんな仕事を?って疑いたくなるぐらいの弾ける笑顔が印象的な女の子で……。
見知らぬ女の子に、手を引かれてただ言われるがままに個室へと俺は導かれていた。