汚れた街の汚れなき天使
「なんか……でっかい荷物届いてるけど?」
秋が過ぎ、冬を越えて……まりあは看護科を卒業し準看の資格を手に俺の部屋へ帰ってきた。
「まだあったんだ。このパジャマ!!」
一つ一つを手に取って懐かしそうにする。
「あ……これも」
今なら理解できるだろう。あの日のまま置き去りの日記。
後ろから女らしくなった、それでもまだ華奢な体を抱きしめるとまりあも振り向いて抱きついてきた。
「お父さんに……愛されてたんだよね?」
「愛されてたよ」
良かった、小さく呟いて、目を閉じ体を預けてくる。
久々の体温に俺の脈拍は一気に急上昇する。
そのまま、お姫様抱っこをすると……今までの時間を埋めるように朝まで抱き合った。