汚れた街の汚れなき天使




「海人?どうしたの??」




その先は言わせない。


唇に軽くキス。




まりあが目を閉じた隙に手のひらにそっと置いたのは。






「……これ!?」





「俺と結婚してください」






いつか逢えた時に渡そうと思ってた。時間と共に随分押入れの奥に行ってしまってたけど、とうとうこの日が来たんだ。そう思ったら俺の手は震えていて……。




格好つけたい場面なのに



恥ずかしい。



そんな俺の気持ちを和らげる様に、まりあの手が俺の手を優しく包んだ。




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