汚れた街の汚れなき天使
正月の空港は慌しい。
隣には、お義母さんの大好物「ひよこ餅」を抱えたまりあの手を取って。
手を振る人の下へ向かう。
奇跡の積み重ねで、ほら?俺にももう一人の大切な母親。
「お帰りなさい!」
「ただいま」
最近になって気付く。
ただいま、を言える場所がたくさんある事はなんて幸せなんだろう、と。
そして……いつかきっと、俺たちも命を紡いでいく。
その時は語るんだ。
愛を込めて。
俺と、まりあのこの物語を。
【完】