汚れた街の汚れなき天使
俺がカッコよく言いつつも……写真の笑顔のキミとさっきのコース内容がダブってちょっとだけ妄想してしまっていると。
「波多野様、お待たせいたしました。」
待合室から続く狭い廊下のカーテンが開いて……。
「いらっしゃいませ♪ご指名ありがとうございます!!」
変わらないうるうるした瞳。
「さぁ、どうぞ~♪」
そう言われて(この店の決まりなのだろうか?)手を繋いで個室へと向かっていく。
ガチャ。
部屋に入ると香水とボディーソープが入り混じった甘い香り。
「また来てくれるなんて思わなかった!!」
一緒にベットに腰かけ……目が合う。
「覚えてたんだ」
「そりゃあねっ!何にもしなかった人珍しいし」
(まぁ……そうか。キミが相当ブサイクで手が出せないならともかく、そんだけ可愛いんだから何もされない方が確かに不思議かもしれない)
「だからもう絶対に来ないんだろうなって思ってた。」
でも今日は良いんだよね??
「こないだの分もサービスしますね~!!」
そう言って前回同様服を脱ぎだすから。
「いや、今日も待って??」
また慌てて止める俺。何しに来てるんだ?って思ってるんだろうな。
そんな俺に服を脱いでいた手を止め、小首を傾げてキミは近付いてきた……。
そして。
俺の視界が遮られた。