汚れた街の汚れなき天使
目の前にはキミの綺麗な胸が揺れていて。
肩からはらりと落ちたロングヘアーが俺の鼻をかすめた。
チュッ。
微かな心地の良い違和感を額に感じた時……時間が止まった様に感じた。
「このくらいはいいよね??」
切れそうな理性の糸を必死に繋いでキミを見上げる。
俺がベッドに腰掛けていて、キミが立っていて、それでもこの距離の近さに小さな女の子なんだな、と改めて思う。
一体どういうつもりで?
キスを?????
嬉しいが半分。
客扱いされている気がして(客なんだけど)腑に落ちないのが半分。
動揺を隠すように取り繕った。大人じゃないのに大人のフリしか出来ない自分が非常にカッコ悪い。
「別にいいけど。でも待ってって言ったのに何で?」
そんな俺の言葉に……キミの瞳から涙が一筋伝った。