汚れた街の汚れなき天使



10分ぐらい、そのまま座っていただろうか?



ベッドと呼ぶには硬すぎるそこへ並び、肩を寄せ合い涙が止まるのを待った。



汚れが目立たない為??


茶色のタオル地の大きなベッドカバーに似合わない一気に派手なピンクのバスタオルが引かれている。

枕も、足拭きも、体を拭くタオルも、全てピンクで染められた異様な空間で。




するべき事をしない俺達はただ黙っている。



「ゴメンね?もう大丈夫!!」



急に明るくなって立ち上がるキミをもう一度座らせる。



「どうして??何でそんな事思うの??」



俺にとってはキミが大切で愛しくて仕方ないのに。




「私ね、Hなんだって。だからこういう所で働くしかないんだって」



「お兄さんが何もしないから……私……いらない存在なのかと思っちゃって」




肩を震わせて言葉を綴るキミは無理をしてるんだって思った。





誰だよ??


そんな酷いこと言った奴。



俺は……そいつを許さない!!




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